涙骨の釣り旅日記

月頭の週末を使って真鶴一泊釣旅行。
この辺りは宿もなくて高くて、友人が泊めてくれるのがありがたいです。
宿から歩いて1分で真鶴港。

初日はちょっと遅くなって岩港へ。


ここはタコ八郎が海に帰った場所ですね。
夜、いつも少し不気味です(関係ないですけど)。
根がたくさんあるので釣れると思ってもいつもあんまり釣れない…。
仕方なく移動、真鶴港へ。
ヨット乗り場近くのOKゾーンで落とすと即良型のシロメバルが釣れました。
これはいけるか、と思うと、その後は特に…。
周りでは早めのイカ釣りの方々が。こちらも釣れていません。

近くでなんだか物凄く大きな音を立てて釣り上げている人がいたので見物に行くと…。
これは、釣っても良いものなのかなあ…。地元の常連さんみたいで周りの人もやっているようですが。
確かにこのあたりにこれを漁獲している専門の人はいないような気もするのだけれども。
この人、この直後にオカッパリでは見かけないような激しいポンピングで何かを釣り上げていて、
これも興味本位で覗きに行くと、見たこともないような巨大なアナゴが。


これはもしかしてクロアナゴ？自分は瀬戸内でマアナゴしか釣ったことがないので初めて見ました。
この方、凄く嫌そうにして糸切って即リリースしようとしていたので、お願いして譲ってもらいました。
マズイマズイという評判ですが、食べてみたくなったので。

この後、港内をいろいろと探り歩きますが、イマイチの釣果。
たまにコッパグレ、手の平サイズ大があるくらい。
真鶴港は足元すぐでグレが釣れるんですよね。寒い時は尺くらいのがたまにあがるのですが。

前から不思議だったのですが、ここには夜遅くに派手なライトと大きなタモを担いでなにやら岸壁を照らして
網ですくいにくる人たちがいて、この夜は特に多かったのです。
ヘチを落としこむ私たちにははっきり言って迷惑なんですが、一体何をやっているのか不思議だったので、
尋ねてみると「カニ」とのことでした。
このあたりではワタリガニが深夜の岸壁に寄ってくるので、それで味噌汁を作るとか。
謎が解けました(困りますが)。

もういいかげん遅い時間になって、あたりもなく疲れもあったので早めの退散決定。
帰る前に海で処理しておこうとクロアナゴを解体します。
マアナゴに比べて太くて大きくて、まな板も目打ちも無しで捌くのはかなり難儀だったのですが、
なんとかかんとかやりぬいて、ビニール袋にしまって明日の食材として、
宿に帰ってビールで一息ついてそのままダウン。

＋＋＋

次の日はおもいっきり快晴！
午前中に福浦港まで歩いて行って、まずは朝食の準備。
今回もキャンプ自炊セット持参だったのです。
例のクロアナゴを味噌汁に、グレをアミで塩焼きにしていただきもののムカゴのおにぎりで。



天気の良い海辺での食事は最高です。
気になったクロアナゴですが、心配していた味の方もばっちり！
釣りアナゴ独特のブリブリした食感がそのまま残っていて、最高です。
しかし量が多い…。二人がかりでおもいっきり食べても半身が限界。

腹ごしらえしてからの釣りはテトラで前打ちを。
相方は内湾でサビキです。
福浦港はいつみても釣れそうな気配満点なんですが、実はいつも苦戦…。
自分は投げずに落とす釣りをするのですが、なかなかうまくいきません。
コンスタントにベラや小さなグレがかかりますが。
まあ釣れないよりも楽しいものです。



昼食は同じ場所で、昨日のシロメバルとクロアナゴの残りをオリーブオイルでとろとろ煮込みます。
偶然取れたカニで味噌汁も。ついでにソーセージや厚揚げも焼いたりして。





釣り場に来るといつも困るのが食事で、そのために釣りを中断するのも、好みでないものを食べるのも
どうしたものかと思っていたのですが、こうやって自炊できれば大丈夫です。
食材もある程度現地調達できますし、簡単なものでも自然の近くで食べれば美味しいものです。

夕方前に福浦を離れて真鶴港の近くのカフェでちょっと休憩。
海を眺めながら白ワインとツマミでのんびりしたひとときを過ごします。

都内に帰るにはそんなに遅くまで釣りはできないので、これからは気合です。
真鶴港内からじっくり探っていきます。
ちょこちょこ釣れるのですが、いまいち…。
ひとり、思い切って荷物をおろして渓流竿一本にして徒歩で港を離れます。
行ったことはなかったのだけど、奥にある琴ヶ浜にいってみました。
もう暗いので様子はわからないのですが、人口磯っぽい浅瀬が続いて、
奥のトンネル前になって平磯っぽい感じになっていて、変化があり。
極端な浅瀬は渓流竿の探り釣りに分があります。
真鶴港方面から奥の方へ探り歩いて行くと、あたり。
名物ネンブツダイはここでも…。
めげずに探りますが、なかなか難しいです。
少し奥に派手なライズがあるので何か居るのは確かなのですが届きません。
そのまま奥の平磯までいって、水深のありそうなところを探りますが、ここまでネンブツダイ…。

あまり時間がないので、折り返して探りながら戻ります。
先程の人口磯付近の浅瀬を丁寧に探ると、突然、竿が重くなりました。
片手では上がらない！浅いので走る魚の魚影が見えます。
タモ無しでそのまま抜くことは出来ないので、いつもの様に竿の手元をたたみながら取り込むと、
かなり肉厚でおおぶりな尺近いカサゴが。


釣り飽きるほど釣ってきたカサゴでも、このタイミング、この釣り方では本当に手応えがあって嬉しいものです。
ありがたくキープ、活け〆。

これで終了です。
片付けをして一路東京へ。

帰ってからカサゴを捌くと、内臓の中は綺麗に空っぽで、
何も食べるものがないところで生き延びてきて、やっと食えたら私の竿の先の餌だった、ということ。
ありがたく、手を合わせます。
肝と胃袋と精巣は綺麗に洗ってすぐに刺身で頂いて、
珍しく背開きにして一日寝かせて塩焼きにしたら、どちらも絶品の美味しさでした。




派手な釣果はないものの、充実した釣り旅になりました。